昨日の朝刊の記事に辺境の災害が。その場所は懐かしい
カラコルムハイウエーで、災害は大規模な土砂崩壊による
巨大ダムが出来てしまったらしい。
ひかえめ氏の訪れた辺境の旅の中で、チベットと並んで
印象深いのがこのカラコルムハイウエーだ。それだけ辺境
度が並々でなく荒々しいものであったということだ。
インダス川の源流が穿った深い岸壁の峡谷の壁に、一条
の、かろうじて車が走れる道を掘削して作った道で、これ
をハイウエーと呼ぶのは大いに誤解を招きそうな名付けだ。
道路壁の崩壊は日常で、2001年の春に訪れた時にも、
何箇所かで工事待ちをしたり崩壊の跡を見たものだ。今の
道の対岸に旧シルクロード、仏教伝来の道が痕跡的に残って
いるが、その険しさは昔の交通の困難さを端的に示していた。
今回の大規模な崩壊は巨大なダム湖を作りつつあって、道
と村が沈みつつあるらしい。
険阻な所なので新しい道を作る事は容易ではなく、また
ダムが崩壊すれば下流に大災害をもたらす事が予想される。
上流には桃源郷といわれたフンザの町があり、更にクン
ジュラブ峠を越えて中国の最奥のカシュガルに繋がる奥地の
物流動脈でもある。冬にはこの峠は閉ざされてしまうが、
今やこの地は夏に向かう時期にも交通途絶の地になってし
まったようだ。