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焦点合成でハナネコノメ


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 かねてから準備を進めてきた焦点合成の道がようやく開けた。焦点合成は、小さなものを大きく写すマクロ撮影や顕微鏡撮影等に役立つ技。こういった拡大撮影ではピントの合う範囲が狭くて、シャープに写るのが部分的過ぎて全体が良く見えない。それが焦点合成という技を使うと、手前から奥までピントが合った写真が出来るという事。普通の撮影では見られないような写真に出会えるという驚きがある。
 道具立てはまずカメラ。手前から奥まで自動的にピント位置をずらせながら撮影するカメラが必要。なるべく軽くて手頃なねだんでこれが出来るカメラという事で、OM-D M10MarkⅡというカメラのボデーだけを買った。拡大撮影向きのマクロレンズは既に60㎜のものと30㎜のものを持っていたので、カメラ道具はこれで良い。
 もう一つの道具立ては焦点合成という画像処理を行うソフト。カメラにこれを組み込んだものもあるが、処理できる範囲に限界があって、
PCのソフトを使う分には制限が無いのでよろしいかと。日本語でサポートを受けられるのはフォトショップというソフトだけ。昔は買い切りだったが、今は月額千円ほどの使用料を払い続ける方式になっている。
 半月ほど前にこの契約でソフトを手に入れ、ようやく春めいた庭で撮影した花を焦点合成で処理した練習を試みた。一番気にしたのは、手持ち撮影で出来るかどうかという事。フィールドでの撮影で、三脚に乗せるのはかなりやっかいなので。この懸念は、三脚無しでもかなり出来るので良かった良かった。
 もう一つはソフトの使い方。拡大撮影焦点合成の技をネットと参考書で調べて、なんとかカスタマーサポートの厄介にならずに出来た。
 時は早春、かねてから焦点合成で狙いたかったハナネコノメソウの開花時期。早速裏高尾の日蔭沢へ出かけた。去年も通った所なので勝手知ったるところ。それが行ってみて驚いた。去年花盛りだった大きな斜面には一本のの花もなく、狭い急な崖の狭い所に僅かに咲いているばかり。
 人の動きを見てみると、立ち入り禁止のテープを張った奥に行っている。その先へ行ってみると、なるほど去年は無かったか見落とされていた花園が有ったのだ。急斜面を降りるので慎重に動いて、かなり粘って撮影を終えた。
 さてその後の焦点合成処理の結果が上の写真。ピントを後ろにずらせながら12枚の写真を自動連写。上の左が1枚目右が12枚目で、ピントは前と後ろに合っていその間はボケている。前後がボケていても構わない人はそれでも良いが。下の写真は焦点合成を行った写真。12枚の写真の中からピントの合った部分だけ抜き出して、自動的に合成したもの。
 背景や後ろの遠いところはボケているが、かなりの範囲はピントが合っていて肉眼で認識した印象に近い。レンズの絞りを絞るとピントは深くなるが、シャッターが遅くなってブレ易くなり、背景もシャープになって煩わしくなり、レンズの解像力も下がってしまいNG。焦点合成はそれらの問題を解決する手段になるので、写真表現上の新しいツールとして使えると思う。




by tabitohon | 2018-03-16 05:34 | PC&デジカメ写真術(ボタニカルフォトあ | Comments(0)
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