散り椿

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  枯渇していた時代劇映画だが、久方ぶりに作品が登場した。散り椿。公開に先立ってモントリオール映画祭に於いて、グランプリに次ぐ審査員特別賞を受賞という事で話題を盛り上がらせた。
 この映画の一般公開初日の朝一番に鑑賞するという、異例の事態に。更に異例なのは、既にこのブログに書き込みがあるが、原作は、先に読んでおいた。受賞の影響もあってか、マスコミにも広く取り上げられる作品になっているので解説は無用といえよう。
 原作と照らしての印象という事になる。主演の岡田准一は、蜩の記で葉室麟の作品に登場していてその印象が残っている。原作と映画が一致しなくてもよいのだが、やはり映画は綺麗にわかりやすく描くものかという印象。
 瓜生新平衛(岡田准一)は原作ではもっと図々しく薄汚い印象だった。この映画での新平衛は蜩の記よりはワイルドな印象があるが、原作よりはおとなしく綺麗な印象だ。
 原作では瓜生新兵衛が主人公であることに気付くまでちょっと時間が掛かるが、映画では配役でこれが主人公と初めから分かってしまうのは致し方ないことか。
 話の展開は時代劇によくあるお家騒動、私腹を肥やす筆頭家老とこれをただす改革派の争いと思わせる展開で進むが。最後には瓜生新兵衛の死んだ妻篠との愛の葛藤が浮き上がってきて、これがもう一つの主題、あるいは目指す主題であったかという展開にかわる。原作でもこの部分はに後半になるまで隠されている。試写会での調べでこの作品は特に女性の支持が多かったと書かれているが、この愛の問題が女性票につながったと思われる。
 映画の造りで気になったのは、戦いのシーンで刀で切った瞬間に噴き出す血潮が度々登場するが、実際の所このようになるのかは知らないながら、違和感のある描写であった。
 時代劇映画で良い印象を持っているのは最後の忠臣蔵という作品だが、それに次ぐ良い作品だという印象。

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by tabitohon | 2018-09-29 05:37 | シネマ・演劇&DVD | Comments(0)
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