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世襲議員問題3

 議論は、世襲経営者の観察と言う形で進む。世襲で権力の座に着く
と言うことで、同じ弊害が現れているに違いないという見方だ。
 世襲経営の実証研究によれば、そうでない企業との比較に於いて、
企業業績が劣り、研究開発への支出が少ない。株価の面で、世襲
CEOのいる企業の株価は1%下落、部外者のSEOになると2%上昇
とか。
 食品偽装や、品質事故を起こした企業の中で世襲経営者・同族経営
の企業の割合は極めて高い。この弊害は容易に理解されよう。

 多様な価値観が政治には反映されなければならないのだが、世襲
議員過多の政治では、これが阻害されてしまう。すなわち世襲議員は
似たような家庭環境、経済環境で育ち、卒業大学にも偏りが見られ、
そのような偏った立候補者の中からしか議員が選べない。これでは
多様な価値観の元に政治が行われる事は期待できない。

 最近の政治課題の一つに、官僚主導から政治主導への転換へと言う
スローガンが聞かれる。これを実現する為にも世襲議員過多状態が
阻害要因だと、論者は主張する。
 政治主導を実現するためには官僚に並ぶ、又はそれに勝る指導力
や知見を持つ議員の存在が必要だが、そのような議員が選挙で選ば
れる事を、世襲議員の存在が阻害していると言う論はうなずける。
 
 
by tabitohon | 2009-05-06 05:19 | その他 | Comments(0)
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